イラン旅行を計画中の方へ、今回は「チェヘル・スルタン廟」をご紹介します。この廟はイラン南部の都市イスファハンにある、サファヴィー朝時代の美しい建築物です。その名前はペルシア語で「40人の王の列」を意味し、豪華なタイル装飾と精緻な彫刻が施された壮麗な姿は、まさに息を呑む美しさです。
チェヘル・スルタン廟の歴史に迫る
チェヘル・スルタン廟は17世紀初頭に、サファヴィー朝の王シャハブ・マフムードが自分の父親であるイスファハン総督の墓として建設を開始しました。しかし、彼の死後、その建設は息子のシャー・アッバース1世によって継続され、最終的に完成へと導かれました。この廟は単なる墓地ではなく、当時のペルシア建築の最高傑作であり、イスファハンの都市景観に大きな影響を与えた建造物として知られています。
建築美の細部を探る
チェヘル・スルタン廟の最も際立つ特徴は、その美しいタイル装飾です。青、緑、黄などの鮮やかな色合いが複雑に組み合わされ、幾何学模様や花柄などが描き出されています。特に、ドーム部分には「七天 couleurs」と呼ばれる七色のタイルが使われており、太陽光の下ではキラキラと輝きを放ちます。
また、廟内には繊細な彫刻が施された石柱やアーチなども多く見られます。これらの彫刻は、当時のペルシアの芸術と工芸技術の高さを物語っています。特に注目すべきは、入り口付近にあるライオンの彫刻です。その迫力ある姿は、まるで生きているかのようです。
建築要素 | 説明 |
---|---|
cupola | 緑色のタイルで覆われた美しいドーム。 |
Iwan | 入口に設置された、アーチ型の装飾空間。 |
minaret | 2つのミナレットが廟の角にあり、イスラム建築の象徴として機能。 |
portal | 幾何学模様と花柄が描かれた壮麗な入口。 |
チェヘル・スルタン廟を訪れる際のヒント
チェヘル・スルタン廟は、イスファハンの街の中心部にあるため、アクセスが便利です。バスやタクシーを利用して行くことができます。廟の入場料は比較的安価であり、内部の見学には約1時間程度かかります。
服装について: イランではイスラムの教えに基づいて服装規定がありますので、女性は頭髪を覆い、長袖・長ズボンの服装が求められます。男性は露出が多い服装は避け、長ズボンを着用しましょう。
写真撮影: 廟内部の写真撮影は可能ですが、フラッシュを使用する場合は注意が必要です。
チェヘル・スルタン廟は、その美しい建築と歴史的な価値から、イラン観光のハイライトの一つとなっています。
イスファハンでの滞在を楽しむ
イスファハンの街には、チェヘル・スルタン廟以外にも多くの見どころがあります。
- ナウ・ルーディ mosque: 美しいモスクで、その繊細なタイル装飾は圧巻です。
- アリ・カッティブ mosque: イラン最大のモスクの一つであり、壮大な規模と美しい建築が特徴です。
- イスファハン橋: 16世紀に建設された橋で、そのアーチ構造の美しさから「世界三大美橋」の一つにも数えられています。
これらの観光スポットを巡りながら、イスファハンの歴史と文化に触れてみましょう。また、イスファハンの街は、伝統的なペルシャ料理を味わえるレストランも多く、グルメ旅行を楽しむこともできます。
チェヘル・スルタン廟を訪れ、その美しさに心を奪われ、イランの豊かな文化を体験してください。